今回は、兄弟姉妹がたくさんいるなどで、相続人が多い場合の相続について、ご紹介していきます。
相続を行う際には、遺産分割協議書というものを作成しなければいけません。
遺産分割協議書とは、誰がどの遺産を相続したかが文書によって明確にわかるので、その後のトラブルを防ぐための重要な書類です。
この遺産分割協議書には、すべての相続人の署名と押印が必要です。
相続人の人数が多いほど、時間や手間がかかるという問題があります。
なかには、仕事が忙しくて対応できない相続人や、間違えて記述してしまい、最初からやり直しになってしまう可能性もあります。
遺産分割協議書の代わりに遺産分割協議証明書を作成する
このように相続人の人数が多い場合には、代わりに遺産分割協議証明書で対応することも可能です。
協議書は1つの書面に相続人全員の署名と押印が必要であるため、その書面を持ち歩き、すべての相続人のところをまわらなければなりません。
そうしているうちに、汚れてしまったり、なくしてしまったりする可能性も考えられるでしょう。
その一方で、協議証明書はそれぞれの相続人個人の署名と押印のみがあればいいので、協議書の作成よりも早く簡単に行えます。
証明書を作成する場合は、相続人の代表者が各相続人に遺産配分について記された証明書を郵送し、署名と押印をもらうことになります。
手続き終了後には代表相続人から、各相続人に正本と同じものを郵送することが望ましいです。
各相続人と認識の相違がないように、それぞれ手元に証明書を保管しておくことが、のちのトラブルを防ぐ上でもとても重要になります。
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注意すべき点
各相続人のもっている証明書の内容が異なる場合は、その証明書を用いて遺産相続手続きをすることはできません。
代表者は各相続人に郵送する証明書がすべて一致しているものかどうか、よく確かめる必要があります。
また、送られてきた書類が他の人と同じものかどうかは、各相続人は確認することはできません。
したがって、自分が署名と押印をした書類の内容を保管しておくために、コピーしておくことが望ましいです。
つまり、各相続人は、自分が署名と押印をした証明書の控えと、正本と同じものである2つの書類を保管しておくことになります。
相続人代表者は、そのようなことをふまえて、のちのトラブルを防ぐために、各相続人と連携をとっていくことが重要です。
まとめ
相続人が多く、遠方に住んでいる人もいる場合、遺産分割協議書の作成はとても手間のかかるものになります。
そうでなくても、遺産配分などの手続きは普段から頻繁に行うものではないため、スムーズに行える方は多くありません。
人数が多いとなおさら時間もかかってしまうので、あらかじめ遺産分割協議書の流れを知っておくことが大切です。
各手続きの段階で、各相続人は控えを保管しておくことで、後のトラブルを防ぐことにもなります。
相続人のなかには高齢の方もいる場合もありますので、相続人代表者は認識の相違などに注意して手続きなどをすすめていきましょう。